2017年4月14日金曜日

『舞台美術アカデミアブログスタート』~舞台美術アカデミアが始まるまで 

by suzuken

舞台美術アカデミアと言う勉強会を月2回くらいのペースでやっている。

この前身はPSLABOと言う所に遡る。
もうかれこれ10年以上前になるであろうか?

当初はperfuming space labo(PSLABO)という名称でパフォーミング空間を研究しようという事で始めた。
とは言え基本は舞台美術の歴史を勉強する事であり、今やっている事とそんなに大差はない。

舞台美術を勉強するのに日本にはそれを研究する資料があまりにも少ない。

そんな中、我々が最初に勉強会のテーマにしたのが伊藤熹朔氏の『舞台装置の研究』であった。
これは今はもう絶版になっていて、中古でないと手に入らない。


この本は大変よくまとまっていた。出版が1941年だから今からもう70年以上も前になる。それ以降このような本が出版されないのはとても悲しい。

日本の舞台美術家が出す本は自分の作品を並べる作品集的な物がほとんどでその分野を論理的に体系する物はない。

伊藤熹朔と同世代で、もう一人吉田謙吉という舞台美術家がいる。
吉田氏も大変たくさんの著作を残していて、彼の著作もいろいろ得る所があると思っている。吉田氏の文献を探るのも今後の課題だ。


伊藤熹朔氏の本を読み終え、次の課題を決めようと思った時に一人の人物に当たる。

               『ジョセフ・スボボダ』



今舞台美術に関わっている人の多くはこの人を知らない。
しかし、近代の舞台芸術を探って行くと彼の存在を避けて通る事はできない。

建築を学んでいる人が、ル・コルビジェを当たり前のように知っているように
舞台芸術を学ぶ人もジョセフ・スボボダを知らないといけないのではないか・・・
そんな思いが我々の中に募った。

そんな流れで次のテーマを『スボボダ』にした。
彼の伝記を英語版ではあったが入手する事ができ、それを皆で翻訳して勉強をしていた。

スボボダ勉強会も1年くらいは続いたが、結局翻訳に疲れてしまったのと私個人のオランダ留学が決まってそのまま頓挫してしまった。
これが2007年の話だ。

オランダ滞在中、そこで舞台美術の歴史を学んでいる場に同席もしたがオランダ語の授業は私には全く理解できず、そして、高校~大学と全く演劇に関わりのなかった私は、自分の基礎教養として舞台美術の知識がない事にひどく劣等感を感じてしまった。

その劣等感は未だに強くあり、何とかしてこの思いを払拭したいと言う気持ちが続いている。

そんな中、2010年にアメリカで出版された『making the scene 』を杉山至さんが教えてくれて、「これこそ我々が求めていた本だ。これを翻訳しよう!」という話になり今に至る。



この本のタイトルがいい!
『making the scene 』
そう、我々の仕事はシーンを作っている仕事なんだ。
これをヨーロッパではセノグラフィーと言う。
これまでに作られたシーンの歴史を辿るという作業はこの上もなく面白いと感じた。

これを始めたのが2013年。
既に4年目を迎え、やっとブログもスタート。
何とも遅い歩みであるが、少しずつ積み重ねて行きたい。

2017年1月1日日曜日

世阿弥(1363-1443)

世阿弥(1363-1443)

言わずとしれた能の創設者である。
父、観阿弥と共に現代の能の基盤を作った。


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<MEMO>
能の五番立
神、男、女、狂、鬼の5つに分けられる。

脇能物(わきのうもの)→神が主人公→『高砂』『養老』『竹生島』など
修羅物(しゅらもの)→男性が主人公→『敦盛』『清経』『頼政』『実盛』
鬘物(かづらもの)→女性が主人公→『井筒』『杜若』『西行桜』『羽衣』『関寺小町』
狂物(くるいもの)→狂った人などが出る→『道成寺』『隅田川』『三輪』『龍田』
切能物(きりのうもの)→人間以外が出る→『殺生石』『鞍馬天狗』『猩々』
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